レンタルスペースの掲載写真と説明文|予約につながる撮り方と書き方

文・編集:upnow media編集部 | 編集方針

この記事の要点

  • 写真は枚数が先。instabaseは15枚以上、スペースマーケットは10枚以上を公式に推奨している
  • 横向き・日中・フラッシュなしが、どのプラットフォームでも共通する基本
  • 説明文は設備の列挙ではなく、利用シーンの言葉で書く
  • 実物より良く見せる加工は、景品表示法の優良誤認にあたるおそれがある

はじめに

予約が入らないとき、多くの運営者は最初に価格を疑います。ただ、同じエリア・同じ広さのスペースを並べて比べると、価格より先に差がついているのは写真と説明文であることが少なくありません。利用者はまず一覧画面でサムネイルを見て、開くかどうかを決めます。開かれなければ、料金は読まれません。

この記事では、掲載写真の枚数と撮り方、説明文の書き方、そしてやってはいけない見せ方を、各プラットフォームの公式な推奨と法令の一次情報にもとづいて整理します。撮影を外注するかどうかの判断材料にもなるはずです。

写真は「枚数」から。プラットフォームが推奨する下限を満たす

instabaseの公式ヘルプは、掲載写真について「最低でも、15枚以上の写真を掲載していただくのがおすすめです」と明記しています。2〜3枚では魅力が伝わらず予約を逃す可能性があるとし、人気スペースは15枚以上を掲載していて、枚数と予約数に相関があると説明しています。

スペースマーケットの公式ヘルプは、推奨枚数を10枚以上、登録できる枚数の上限を30枚としています。あわせて間取り図は最大5枚まで登録できます。

つまり、まず満たすべきは「何を撮るか」ではなく「何枚あるか」です。全体像、入り口、外観、水回り、備品、コンセントの位置、窓からの景色、夜間の明るさ。利用者が現地に行かずに判断するために必要な情報は、思っているより多くあります。枚数が足りないスペースは、情報が足りないスペースとして読まれます。

参照URL https://support.instabase.jp/hc/ja/articles/360001574932 / https://support.spacemarket.com/ja/articles/1f124f08

撮り方は3つだけ守る。横向き・日中・フラッシュなし

instabaseの公式ヘルプは、撮影のコツとして「カメラを横に構えて撮影する」「日中に撮影する(カーテンを開け、自然光が入る状態にし、照明もつける)」「室内を清掃してから撮影する」を挙げています。別ページでは、フラッシュを使わずに明るく撮ること、目線の高さを意識することも推奨されています。

縦向きの写真は不利になります。スペースマーケットの公式ヘルプは、縦向きの写真は一部のみ表示されること、アップロード時にトリミングができないこと、スマートフォンで撮影した画像は左右が反転して表示される場合があることを注意点として挙げています。横で撮れば、どのプラットフォームでも安全です。

推奨サイズは、instabaseが1,570×880ピクセル、スペースマーケットが1,280×720ピクセルです。いずれも横長で、比率はおおむね16:9に近い形です。近年のスマートフォンであれば解像度は十分に足りるので、必要なのは高価な機材ではなく、明るさと構え方です。

プロに依頼する価値があるのは、広角で歪まずに撮る必要がある狭い部屋と、競合が多くて一覧画面での見栄えが勝負になるエリアです。逆に、窓が大きく日中に自然光が入る部屋なら、自分で撮っても十分に戦えます。

参照URL https://support.instabase.jp/hc/ja/articles/360001575312 / https://support.instabase.jp/hc/ja/articles/360001574932 / https://support.spacemarket.com/ja/articles/1f124f08

1枚目は「用途が伝わる1枚」にする

instabaseでは、各写真に「スペース内」「設備・備品・オプション」「入り口」「外観」「その他」「間取り図」のタグを設定でき、メイン画像には「スペース内」の画像を設定するよう案内されています。外観や入り口をメインにすると、何に使える場所なのかが伝わりません。

1枚目に求められるのは、綺麗さよりも用途の特定です。会議利用を狙うならテーブルと椅子が並んだ状態、撮影利用を狙うなら背景として使える壁面、レッスン利用を狙うなら床と鏡が写った引きの画。利用者は「自分のやりたいことができるか」を1〜2秒で判断します。

キャプションも使えます。instabaseでは写真の説明文を80文字以内で入力できます。「12名まで着席可能」「このレイアウトは無料で変更できます」のように、写真だけでは分からない条件を1行添えると、問い合わせの手間が減ります。

参照URL https://support.instabase.jp/hc/ja/articles/360001575652

説明文は設備の列挙ではなく、利用シーンの言葉で書く

説明文でよくある失敗は、設備の箇条書きで終わっていることです。「Wi-Fi、プロジェクター、ホワイトボード、キッチン」とだけ書かれていても、利用者は自分の用途に合うかどうかを自分で翻訳しなければなりません。翻訳の手間がかかるほど、離脱します。

書き方の順番は、誰が、何をするときに、どう使えるか。「10〜12名の社内研修で使われることが多い部屋です。プロジェクターとホワイトボードがあり、長机のレイアウトは当日自由に変更できます」と書けば、検討している人は自分の予定に当てはめられます。

そのうえで、不利な条件も書きます。エレベーターがない、駅から徒歩12分、音出しは不可、搬入は台車が必要。先に書くと予約が減るように見えますが、実際に減るのは「来てから条件が違うと分かるキャンセル」とレビューの低評価です。条件が合う人だけが予約する状態のほうが、稼働率は安定します。

検索されたい言葉を入れておくことも有効です。プラットフォーム内の検索も、Googleの検索も、本文の言葉を手がかりにします。用途名(ワークショップ、ママ会、面接、物撮り)、最寄り駅名、収容人数は、本文中に自然な形で入れておきます。

実物より良く見せる加工は、景品表示法のリスクになる

写真の明るさや色味の調整は通常の範囲ですが、実際の広さや設備と違う印象を与える見せ方には、景品表示法上のリスクがあります。消費者庁は優良誤認表示を、商品やサービスの内容について「実際のものよりも著しく優良であると示すもの」と説明しており、故意でなく誤って表示した場合も規制の対象になるとしています。

レンタルスペースで起こりやすいのは、過度な広角で実際より広く見せる、撤去済みの備品が写った古い写真を使い続ける、オプション料金が必要な備品を無料の設備のように見せる、といったケースです。いずれも利用者が現地で気づくため、当日のトラブルと低評価に直結します。

運用としては、備品や内装を変えたら写真を差し替えるルールを決めておくのが確実です。半年に一度、掲載写真と現況を突き合わせるだけでも、ズレはかなり防げます。

なお、instabaseでは掲載できない写真として、民泊目的のベッドが写ったもの、メールアドレスや連絡ツールのQRコード、直接取引を促すURLや自社サイトの写真、著作権や商標権を侵害するおそれのあるものが挙げられています。自社予約サイトへの誘導をプラットフォーム上の写真で行うことはできません。

参照URL https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation / https://support.instabase.jp/hc/ja/articles/360001575652

自社予約サイトでは、写真の役割が変わる

プラットフォームでは、写真は一覧の中から選ばれるための競争材料です。一方、自社予約サイトにたどり着く人は、Googleマップや指名検索、SNSから来ていて、すでにそのスペースに関心を持っています。ここでの写真の役割は、比較に勝つことではなく、不安を消すことです。

具体的には、入り口から部屋までの経路、鍵の開け方、ごみの出し方、駐車場の位置といった、当日の動作が分かる写真が効きます。これらはプラットフォームの一覧画面では不要ですが、自社サイトでは問い合わせを減らします。

同じ素材を使い回すのではなく、プラットフォーム用と自社サイト用で選ぶ写真を変える。それだけで、どちらの役割も果たせるようになります。

撮る前にやること。片付けと明るさで半分決まる

撮影の前に片付けをします。当たり前に聞こえますが、instabaseの公式ヘルプでも撮影のコツの最初に「室内を清掃し、綺麗で清潔な室内を撮影しましょう」と書かれています。コード類、ごみ箱、掃除用具、前の利用者の忘れ物。写っていると、管理状態への不安につながります。

次に明るさです。同ヘルプは「日中に撮影する。カーテンを開け、自然光が入る状態にしましょう。照明もつけましょう」としています。自然光と照明を両方入れるのがポイントで、どちらか一方だと色が偏ります。曇りの日に撮ると全体が沈むので、晴れた日の午前から昼過ぎを選びます。

家具の配置も整えます。椅子の向きを揃える、机を壁と平行にする、クッションの位置を直す。この程度の作業で、同じ部屋でも印象が変わります。撮影は、部屋を一番良い状態にしてから一度で済ませるほうが、結果的に手間が少なくなります。

参照URL https://support.instabase.jp/hc/ja/articles/360001575312

何を撮るか。足りなくなりやすい10カット

枚数を増やそうとすると、同じ構図の似た写真が並びがちです。必要なのは枚数ではなく、判断に必要な情報の種類です。実務で足りなくなりやすいのは次のカットです。

部屋の全体像を対角線上の角から2方向。入り口から入ったときの視点。水回りと手洗い場。収納と備品の置き場。コンセントの位置と数。空調の操作パネル。窓の外の景色と、カーテンを閉めた状態。夜間に照明をつけた状態。建物の外観と入り口。最寄り駅から入り口までの経路のうち、迷いやすい地点。

このうち、夜間の状態と経路の写真は特に効きます。夜に使う用途では照明の印象が予約を左右しますし、入り口が分かりにくい物件では当日の問い合わせが減ります。どちらも一覧画面では地味ですが、詳細まで読む人には響きます。

レイアウトを変えられるスペースなら、主要なパターンを撮っておきます。会議形式、スクール形式、何も置かない状態。利用者は自分の用途に当てはめられる写真を探しているので、パターンが多いほど検討の対象になります。

料金表と備品リストは、写真ではなく文字で書く

料金表や備品リストを画像にして掲載するケースがありますが、避けたほうが無難です。画像の中の文字は検索の対象になりにくく、スマートフォンでは読めない大きさになります。変更があったときに作り直す手間もかかります。

料金は、プラットフォームの料金設定機能で表現できる範囲は機能側に入れ、収まらない条件だけを説明文に書きます。延長料金、人数超過料金、オプションの単価、清掃費の扱い。このあたりは文字で書いておくと、問い合わせが減ります。

備品についても、名前を並べるだけでなく数と条件を書きます。椅子が何脚あるのか、プロジェクターは無料か有料か、持ち込みは可能か。数が書かれていないと、利用者は問い合わせるか、別のスペースを選ぶかのどちらかになります。

instabaseでは写真ごとにキャプションを80文字以内で入力できるので、備品の写真に「数と条件」を1行添える形も使えます。

参照URL https://support.instabase.jp/hc/ja/articles/360001575652

掲載写真と説明文でよく出る5つの問い

写真は何枚くらい載せればいいですか

instabaseの公式ヘルプは15枚以上を推奨しています。スペースマーケットは推奨10枚以上で、登録できるのは最大30枚までです。2枚から3枚では魅力が伝わらず予約を逃す可能性があるとされており、枚数と予約数には相関があると説明されています。

スマートフォンで撮った写真でも大丈夫ですか

問題ありません。instabaseの公式ヘルプでも、コストを抑える場合は解像度の高い横長写真を用意すればよく、スマートフォンでも可としています。重要なのは機材より、横向きで構えること、日中に自然光と照明の両方を入れること、撮る前に片付けることの3点です。

縦向きの写真を載せてもいいですか

おすすめしません。スペースマーケットの公式ヘルプでは、縦向きの写真は一部のみ表示されること、アップロード時にトリミングができないことが注意点として挙げられています。横で撮れば、どのプラットフォームでも切れずに表示されます。

1枚目にはどの写真を使うべきですか

用途が伝わる室内の写真です。instabaseではメイン画像にスペース内の画像を設定するよう案内されています。外観や入り口を1枚目にすると、何に使える場所なのかが伝わりません。会議なら机と椅子、撮影なら背景として使える壁面というように、用途が分かる構図を選びます。

説明文に不利な条件を書くと、予約が減りませんか

予約は減りますが、減るのは条件が合わない人の予約です。エレベーターがない、駅から遠い、音出しは不可といった条件を先に書くと、来てから違うと分かるキャンセルと、低い評価が減ります。条件が合う人だけが予約する状態のほうが、稼働は安定します。

まとめ:枚数を満たし、横で撮り、用途の言葉で書く

掲載写真と説明文の改善は、順番があります。まず枚数を公式の推奨水準まで増やす。instabaseは15枚以上、スペースマーケットは10枚以上です。次に、横向き・日中・フラッシュなしで撮り直し、1枚目を用途が伝わる画に差し替えます。

説明文は、設備の列挙から利用シーンの説明に書き換え、不利な条件も先に書きます。条件が合わない人の予約を減らすことは、キャンセルと低評価を減らすことと同じです。

そのうえで、実物と違う印象を与える見せ方は避けます。写真は資産ですが、現況とズレた瞬間にリスクに変わります。備品や内装を変えたら差し替える、半年に一度は突き合わせる。この運用まで決めて、ようやく写真は働き続けます。