レンタルスペースのSNS集客|Instagramを予約につなげる運用

文・編集:upnow media編集部 | 編集方針

この記事の要点

  • Instagramのプロフィールには最大5件のウェブサイトを設定できる。予約ページへの導線はここが基点
  • プロアカウントに切り替えると、業種カテゴリ、連絡先、アクションボタン、インサイトが使える
  • 投稿は推奨仕様がある。フィードは4:5〜1.91:1、リールは9:16が推奨
  • SNS単体で予約を取ろうとせず、Googleマップと自社予約ページとセットで設計する

はじめに

レンタルスペースの集客でSNSが話題になるとき、多くは「フォロワーを増やす話」になります。ただ、スペースは商圏が限られるので、全国のフォロワーが増えても予約にはつながりません。必要なのは、そのエリアで場所を探している人に届き、予約ページまで到達してもらうことです。

この記事では、Instagramを中心に、公式ヘルプで確認できる仕様にもとづいて、予約につながる設定と運用を整理します。

まずプロアカウントに切り替える

Instagramには個人アカウントとプロアカウント(ビジネス/クリエイター)があり、プロアカウントに切り替えるとビジネス向けのツールと管理機能が使えるようになります。レンタルスペースの運用では、切り替えないと始まりません。

プロアカウントで使えるようになる主なものは、業種カテゴリとビジネス連絡先情報の設定、所在地の追加、プロフィールへのアクションボタンの追加、そしてプロフェッショナルダッシュボードからのインサイト確認です。インサイトは、投稿のパフォーマンスを追跡する用途で提供されています。

アクションボタンは、公式ヘルプによれば「プロフィールにアクションボタンを追加するとフォロワーがアカウントに関わりやすくなり、やり取りが簡単になる」とされています。外部パートナーとの連携の仕組みがあり、予約や問い合わせにつながる設定ができます。

参照URL https://help.instagram.com/502981923235522 / https://help.instagram.com/529483457260403 / https://help.instagram.com/122793804938499 / https://help.instagram.com/257516379077270

プロフィールのリンクは最大5件。優先順位を決める

Instagramの公式ヘルプには、プロフィールに最大5件のウェブサイトを追加できると明記されています。以前はリンクが1件だけだったため、リンクまとめサービスを挟む運用が一般的でしたが、現在は直接並べられます。

レンタルスペースの場合、置くべきものは絞られます。1つめは予約ページ。2つめはGoogleマップの地図リンク。3つめは利用案内やよくある質問。4つめ以降は、用途別のページや問い合わせフォームです。

注意したいのは、1つめを間違えないことです。プロフィールを見た人が最初に押すのは一番上のリンクです。ここを会社サイトのトップページにすると、予約までの導線が1段深くなります。

あわせて、プロフィール文には最寄り駅、用途、収容人数を入れます。Instagramのプロフィール文にはハッシュタグやアカウントへのリンクを置ける機能もあります。

なお「2023年に複数リンクが解放された」といった経緯を明記した公式ページは確認できませんでした。現行仕様として最大5件、という事実にもとづいて設計するのが安全です。

参照URL https://help.instagram.com/362497417173378 / https://about.instagram.com/ja-jp/blog/announcements/introducing-hashtag-and-profile-links-in-bio

投稿の仕様に合わせる。縦で作るか、横で作るかを決める

投稿が見づらいだけで、内容に関係なく読まれなくなります。Metaの公式ドキュメントでは、フィード画像の受け入れ仕様として、形式はJPEG、ファイルサイズ上限8MB、アスペクト比は4:5から1.91:1の範囲、最小幅320ピクセル、最大幅1440ピクセル、カラースペースはsRGBとされています。カルーセルでは先頭画像を基準に全画像がトリミングされ、既定のアスペクト比は1:1です。

リールは、形式がMOVまたはMP4、アスペクト比は0.01:1から10:1の範囲が必須で推奨は9:16、長さは最小3秒・最大15分、ファイルサイズ上限300MB、フレームレート23〜60fpsとされています。カバー画像の推奨アスペクト比も9:16で、9:16でない場合は中央を9:16で切り抜かれます。

ここで注意が必要なのが、掲載写真との使い分けです。instabaseやスペースマーケットの掲載写真は横長が推奨されており、instabaseの公式ヘルプでは「カメラを横に構えて撮影する」と案内されています。一方、Instagramのリールは縦が推奨です。同じ素材を流用すると、どちらかが切れます。撮影時に、横と縦の両方を押さえておくのが現実的です。

参照URL https://developers.facebook.com/docs/instagram-platform/content-publishing/ / https://support.instabase.jp/hc/ja/articles/360001575312

何を投稿するか。映える写真より、使い方が分かる投稿

レンタルスペースのアカウントで反応が出るのは、空間の美しさを見せる投稿よりも、使い方が分かる投稿です。この部屋でどんなことができるのか、何人まで入るのか、どういう人が使っているのか。利用者は自分の予定を当てはめながら見ています。

具体的には、レイアウトの変更パターン、実際の利用シーン(利用者の許可を得たもの)、備品の使い方、入り口から部屋までの経路、時間帯による日当たりの違い。いずれも、掲載写真では枚数の都合で載せきれない情報です。

投稿にはエリア名と用途名を入れます。「渋谷 貸し会議室」「ワークショップ 10名」のように、探している人が使う言葉をキャプションに含めると、検索やハッシュタグから見つかる可能性が上がります。

更新頻度は、毎日である必要はありません。むしろ、プロフィールを見たときに「今も営業している」と分かることのほうが重要です。更新が1年前で止まっていると、営業しているかどうかの確認が入り、その問い合わせに答える手間が増えます。

SNSだけで完結させない。Googleマップとセットで設計する

SNSで知った人の多くは、すぐには予約しません。一度離れて、あとで名前で検索します。そのときに出てくるのがGoogleマップのビジネスプロフィールです。ここに予約リンクが設定されていないと、導線が途切れます。

Googleビジネスプロフィールでは、ローカルビジネスリンクとして、メニュー確認用リンク1つ、サービス一覧確認用リンク1つ、予約や注文などの取引用リンクをカテゴリごとに最大10個まで設定できます。手順は、ビジネスプロフィールにアクセスし、「予約」などの取引の種類を選び、リンクを追加してURLを入力して保存します。複数ある場合は優先リンクを設定して上部に表示できます。

なお、ローカルビジネスリンクはBusiness Profile APIやスプレッドシートのアップロードでは追加できないとされています。手作業で設定する必要があります。

Instagramのプロフィール、Googleマップ、自社予約ページ。この3つが同じ予約先につながっていれば、どこから知られても同じ場所に着地します。SNSの役割は、予約を取ることではなく、名前を覚えてもらうことです。

参照URL https://support.google.com/business/answer/6218037?hl=ja

他のSNSをやるかどうか

X(旧Twitter)にもプロフェッショナルアカウントの仕組みがあり、公式ヘルプにカテゴリページが用意されています。TikTokにもビジネスアカウントの機能があり、公式ヘルプでは、アナリティクス、メッセージの自動リード収集、動画やプロフィールに遷移先リンクを設定できる機能などが挙げられています。機能は市場やアカウントの条件によって変わるとされています。

ただし、運用の手が足りない状態で複数に広げると、どれも更新が止まります。更新が止まったアカウントは、営業しているかどうかの判断を鈍らせるので、ない方がましな場合もあります。

判断基準はシンプルで、自分のスペースの主な用途を使う人が、どこにいるかです。撮影やレッスンのように写真と動画で伝わる用途ならInstagram、イベント告知が中心ならX、という程度の切り分けで足ります。

参照URL https://help.x.com/en/business-and-advertising/professional-accounts / https://ads.tiktok.com/help/article?aid=10001428

利用者の投稿を使わせてもらうときに確認すること

レンタルスペースの投稿で最も反応が出るのは、実際に使われている様子です。ただし、利用者が撮った写真をそのまま転載することはできません。写真の著作権は撮影した人にあり、写っている人には肖像権があります。

使わせてもらう場合は、投稿前に許諾を取ります。確認するのは3点です。写真を自分のアカウントで使ってよいか、写っている人全員の了承が取れているか、投稿を消したくなったときに連絡をもらえるか。口頭ではなく、メッセージなど記録が残る形でやり取りします。

許諾が取りにくい用途もあります。撮影やレッスンの様子には、利用者の顧客が写っていることがあります。その場合は、人が写らない角度で自分が撮り直すほうが早く、後から問題になりません。

利用案内の中に「投稿してもよい範囲」をあらかじめ書いておく方法もあります。どこまで撮ってよいか、他の利用者が写り込まないようにしてほしい、といった案内は、トラブルの予防にもなります。

続けられる頻度を先に決める

投稿の頻度について、毎日が良いという決まりはありません。レンタルスペースのアカウントで重要なのは、見に来た人が「今も営業している」と判断できることです。更新が1年前で止まっていると、営業しているかどうかの確認が問い合わせとして届きます。

現実的な設計は、撮影の日をまとめて設けることです。レイアウトのパターン、備品、時間帯による日当たりの違いを一度に撮っておけば、数週間分の投稿素材になります。毎回撮ろうとすると、止まります。

投稿の種類を決めておくのも有効です。空間の紹介、使い方の例、設備や備品の説明、空き枠の案内。この4つを順番に回すだけで、何を投稿するか迷う時間がなくなります。

空き枠の案内ばかりにならないよう注意します。告知が続くと、関係のない情報として読み飛ばされるようになります。

効果の見方。フォロワー数ではなく、到達と遷移を見る

プロアカウントでは、プロフェッショナルダッシュボードからインサイトを確認できます。公式ヘルプによれば、ダッシュボードの用途はパフォーマンスの追跡、プロ向けツールへのアクセス、教育情報の閲覧とされています。

レンタルスペースで見るべきは、フォロワー数ではありません。商圏が限られるため、全国のフォロワーが増えても予約にはつながらないからです。見るのは、投稿がどれだけの人に届いたかと、プロフィールのリンクがどれだけ押されたかです。

あわせて、予約ページ側でも流入元を確認します。Googleアナリティクスを入れていれば、どの経路から来た人が予約まで進んだかが分かります。投稿の反応が良くても予約が増えていないなら、プロフィールのリンクの順番か、着地先の予約ページに原因があります。

数字は月に一度だけ見ます。日単位で見ても判断材料にはならず、投稿を続けることのほうが先になります。

参照URL https://help.instagram.com/257516379077270

SNS集客でよく出る5つの問い

フォロワーは何人くらい必要ですか

目安はありません。レンタルスペースは商圏が限られるため、遠方のフォロワーが増えても予約にはつながらないからです。見るべきはフォロワー数ではなく、投稿がどれだけの人に届いたかと、プロフィールのリンクがどれだけ押されたかです。

プロフィールにリンクは何件置けますか

公式ヘルプには最大5件のウェブサイトを追加できると記載されています。レンタルスペースの場合は、1件目を予約ページ、2件目を地図、3件目を利用案内にするのが基本です。1件目に会社サイトのトップページを置くと、予約までの導線が1段深くなります。

投稿は毎日しないと効果がありませんか

毎日である必要はありません。重要なのは、見に来た人が今も営業していると判断できることです。更新が止まっていると、営業しているかどうかの確認が問い合わせとして届きます。撮影日をまとめて設け、数週間分の素材を用意しておく方法が現実的です。

利用者が撮った写真を、自分のアカウントで使えますか

そのままでは使えません。写真の著作権は撮影した人にあり、写っている人には肖像権があります。使う場合は、自分のアカウントで使ってよいか、写っている人全員の了承が取れているかを、記録が残る形で確認します。許諾が取りにくい場合は、人が写らない角度で撮り直すほうが早く済みます。

複数のサービスを同時に運用したほうがいいですか

手が足りない状態で広げると、どれも更新が止まります。更新が止まったアカウントは、営業しているかどうかの判断を鈍らせるので、ない方がましな場合もあります。判断の基準は、自分のスペースの主な用途を使う人がどこにいるかです。

まとめ:設定を整えてから、投稿を増やす

Instagramでの集客は、投稿を増やすより先に設定を整える方が効果が早く出ます。プロアカウントに切り替え、業種カテゴリと連絡先と所在地を設定し、プロフィールのリンク5件のうち一番上を予約ページにする。これだけで、見に来た人が予約にたどり着けるようになります。

投稿は仕様に合わせて作り、内容は映える写真より使い方が分かるものを選びます。掲載写真用の横構図とリール用の縦構図は、撮影時に両方押さえておきます。

そして、SNSだけで完結させないこと。知った人は名前で検索し、Googleマップに戻ってきます。そこに予約リンクがあるかどうかが、最終的な予約数を決めます。